注意
「木造の壁量の求め方」と「壁式鉄筋コンクリート造の壁量の求め方」は全然違います。混同しないように注意しておきましょう
今回は実際に二級建築士試験で出題された「壁式鉄筋コンクリート造の壁量」の求め方を分かりやすく解説していくよ。
もしかすると一級建築士試験でも出題される可能性もある。念のために覚えておいてもいいのかもね
もとさぶ
このページで分かることは?
- 2016年(H.28)の二級建築士試験に出題された問題とは
- 壁式鉄筋コンクリート造の壁量の求め方
壁式鉄筋コンクリート造の壁量の求め方
早速だけど…下の画像は2016年(H.28)の二級建築士試験で出題された問題。一度解いてみてよ
もとさぶ
正解は【解答4の20.3cm/㎡】となります
ピヨひこ
ダメだ…さっぱり分からないや
そうだよね。こういう計算問題は「条件」と「計算式」を覚えていないと全く太刀打ちできない。
このことは「どの計算問題」でも「他の科目の計算問題」でも同じことが言えるね
もとさぶ
ピヨひこ
一級建築士試験では「壁式鉄筋コンクリート造の壁量の求め方」なんてあまり見たことないよ。覚えないといけない?
木造の問題は見たことあると思うけど、壁式鉄筋コンクリート造はほとんどないよね。でも絶対出ないとは言い切れない。あくまで「念のため」だよ
もとさぶ
求め方は簡単です。万が一類似問題が出題された時、確実に点数が取れる様に覚えておいても損はないはず!
壁式鉄筋コンクリート造の壁量を求めるポイントについて
壁式鉄筋コンクリート造の壁量は【2つのポイント】を押さえる事で簡単に求める事ができます。
ポイント①:耐力壁かどうかを判別する
ピヨひこ
壁式鉄筋コンクリート造の壁って全部耐力壁じゃないの?!
全ての壁が耐力壁として扱えるという訳ではない。
条件をクリアした壁だけが耐力壁として扱えるんだ
もとさぶ
耐力壁となる条件は下記の「AとB」両方を満足させる必要があります。
- 条件A:耐力壁の実長が45cm以上
- 条件B:同一の実長を有する開口部高さの30%以上
ピヨひこ
ん~…条件Bがよく分からないや
条件Bの意味を分かりやすく図にしてみたから見てみて
もとさぶ
条件Bを考慮する場合は「開口部の高さ」が分かっていないと求められません。
つまり今回の問題では開口部の高さ情報が一切無い為、条件Bは無視する事が出来ます
ポイント②:壁式鉄筋コンクリート造の『壁量の求め方』を覚える
壁式鉄筋コンクリート造の壁量の求め方
壁量(cm/㎡)=耐力壁長さの合計/面積
ピヨひこ
むちゃ簡単な式だね
それじゃあ、さっきの問題に当てはめて解いてみよう
もとさぶ
まとめ
もう一度問題を見てみましょう。
開口部の高さの記載が無いことから「条件B」は無視できます。
ピヨひこ
あとは「条件A:壁の実長が45cm以上」であれば耐力壁とみなせる。ということだね
そういうこと!問題文では「X方向の壁量を求めて下さい」とされているからX方向の壁長さを見ていこうか
もとさぶ
- X方向の壁長さ「40cm」は条件Aを満足していない為、耐力壁として扱えない事が判明
最後に壁式鉄筋コンクリート造の壁量を求めてみよう
もとさぶ
壁式鉄筋コンクリート造のX方向壁量を求めてみよう
壁式鉄筋コンクリート造の壁量の求め方
壁量(cm/㎡)=耐力壁長さの合計/面積
X方向の耐力壁長さの合計:『180cm+45cm+45cm+180cm+180cm+180cm=810cm』
ポイント
答えの単位は「cm」となっています。壁の長さの単位を「m → cm」に変換しておきましょう面積(タテ×ヨコ):『5.0m×8.0m=40.0㎡』
壁量(cm/㎡)=810cm/40.0㎡=20.25cm/㎡
「解答4の20.3cm/㎡」という答えが一番近くなるってことだね
もとさぶ
ピヨひこ
ほほぅ~
Y方向壁量はどうなるのか?
これでY方向の壁量も解けるよね?
もとさぶ
ピヨひこ
えっと…解き方は一緒で…今度はY方向の壁に着目すればいいわけだから…あっ「15.00cm/㎡」だね
お見事っ!!
もとさぶ
Y方向の壁量
600cm/40.0㎡=15.00cm/㎡